競馬史に残る名場面 ドバイワールドカップ

ワールドカップ

競馬はギャンブルであり、スポーツでもあります。感動的なシーンがしばし発生し、見る人の心を揺さぶり、深い感動を与えてきました。今回は、競馬史に残る名場面となっている、2011年3月26日に行われたドバイワールドカップを紹介します。

2011年のドバイワールドカップは、アラブ首長国連邦のメイダン競馬場(オールウェザー2000メートル)で、賞金600万ドルをかけて争われました。歴代の勝ち馬は、シガー・カーリン・シルヴァーチャームなど歴史的な名馬が名を連ねる、世界最高峰のレースの一つです。日本生産・日本調教馬が何頭も挑戦していましたが、2001年のトゥザヴィクトリーの2着が最高着順でした。

ドバイワールドカップの16日前に東日本大震災が発生し、日本全体が重苦しい空気に包まれていました。そんな中、皐月賞・有馬記念を勝利したヴィクトワールピサとその陣営は、レースに勝つことで少しでも日本を勇気づけようとしました。

レースは、スタート後に後方に控えたヴィクトワールピサが、向こう正面で一気に先頭に並びます。最後の直線、叩き合いを制して優勝。しかも2着のトランセンドも日本馬ということで、見事ワンツーフィニッシュを決めました。ゴールの瞬間、ヴィクトワールピサに乗っていたデムーロ騎手がガッツポーズをしたシーンは、日本中に感動と希望をもたらし、世界にも衝撃を与えました。